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2016年 08月 06日
1階のカフェスペースにも涼しさを感じて頂けるように、間仕切りの襖をはずし、御簾を掛けることにしました。御簾は時代劇などで稀に見かけることあると思いますが、高貴な方のお姿がそのまま見えないように下げているものです。また、お茶席でも夏の間の部屋の仕切りとしても用いることがあります。
![]() 手に入れたアンティークの御簾。 すだれよりもっと細い蘆が使われており、 四辺の裂も名物裂の写しなどが使われています。裂の柄は唐草文鳳凰でした。 ![]() 御簾を掛けるための金具。 ![]() 長押に挟み込んで掛けるようになっています。 ![]() 御簾を掛けました。 撒いた御簾を掛ける金具は銅製。こちらも唐草文が鍛金されています。 ![]() 御簾を下げたところ。 ![]() 御簾は両手で巻き上げ~下げを行ないます。 ![]() 暗がりの室内から明るい坪庭を望んで。 繊細な光の透け具合が涼しさを増してくれます。 ![]() 外した襖は押入れに仕舞いました。 押入の奥行きは昨今は少し持て余し気味なこともあるかもしれませんが、 東山の町家では手前側の60cm程をクローゼットとして利用し、 奥の余ったスペースを建具を仕舞うスペースにしています。 すだれ・葭簀は夏の日除けに良く用いられますが、御簾を実際にご覧頂ける機会は少ないでしょうか。 『豆月』にお越しの際はぜひ御簾もご覧頂けますと嬉しいです。 明日はもう立秋。 もうまもなく涼風が吹き始めるでしょうか。 暑い日が続きますが、皆さまも暑さに負けないようお過ごしください。 ![]() #
by jell-architects
| 2016-08-06 12:00
| 金沢町家改修
2016年 07月 05日
これまで、工事中にはなかなかご紹介できなかったことも少しずつですがご紹介していきたいと思います。 今回は障子や襖の引手。これまでにもブログにてご紹介していましたが、東山の町家では、デザインや軽さ、取外しのし易さ、そして空間の広がりを確保できるように、既製品のドアは使っておらず、オーダー製作の木製の引戸やアンティークものの襖、障子を多く用いています。 建具全体をどんなデザインにするかも大切ですが、いつも手を触れる引手をどんなデザインにするかも小さな楽しいこだわりのポイントです。 障子の引手は見慣れた白木のものが多いですが、金沢ではシンプルに魅せたり、お客様が開けてしまわないように、引手が無い障子も多く見られます。そんな障子を手に入れて、違う所で用いる際は建具屋さんに改めて引手をつけてもらうことも可能です。 ![]() 黒塗の桟の障子には、黒檀の引手を取付けて目立ちすぎず一体感があるように。 ![]() 小上がり入口の弁柄色の桟の障子には 解り易くて、表情もある胡麻竹の引手をつけて頂きました。 ![]() 小間のお茶室の入口はのタイコ貼りの障子。障子紙を細工した切引手でシンプルに。 ![]() 広間のタイコ貼り障子は、予め購入しておいた、 四君子の柄(蘭・竹・菊・梅を用いた柄)の引手。 古い物ですが、とても凝ったつくりです。 ![]() 広間の襖は待合い側は枠に合わせてシンプルに玉子型黒色の引手・くすべ太縁玉子。 ![]() 茶室側は漆塗りの柱に合わせて赤銅の五郎三蜀光玉子です。 ![]() 床脇のハート形の引手は豆月へいらっしゃるお客様もとても気になる様子。実は葵の葉の形をしています。 ![]() 中庭の木製引戸は素銅光琳笹舟の引手と真鍮の小さな捻締錠。 ![]() 目立ち過ぎず、小さくて可愛くがコンセプトです。 ![]() 玄関の引手はオールドブロンズ色の角引手。 色を合わせて鍵も同じメーカーのものを揃えて用いています。 ![]() 2階の座敷は桐の模様の引手・浄益桐木瓜。 ![]() この家に残っていた釘隠しの中で、1つだけ桐のものがあり、そこから引用して楽しんでいます。 ![]() 押入れの襖の引手はデフォルメされた桐の形・桐丸紫燻。 四季七宝柄の襖紙と合わせてシンプルに可愛くしてみました。 ![]() この襖の裏紙は花菱柄。 ![]() これも花菱型の釘隠しとコーディネート。普段は気づかないお洒落です。 引戸の引手は様々な形があり、その呼び名も耳慣れないものが多くあり、とても興味深い反面、サイズや使い勝手、素材などは更にバリエーションが多いため、実際にはどれをどのように用いるべきかはよく吟味する必要があります。 それでも、ご紹介したように、いろいろな遊び心に溢れており、暮らしにも彩りを添えてくれますので、折角の家づくりではこだわりたいポイントの一つです。 ![]() #
by jell-architects
| 2016-07-05 20:00
| 金沢町家改修
2016年 07月 02日
なかなかご紹介できずにいました、作家さんとのコラボレーションをご紹介していますシリーズ。今回はカフェ「豆月」の手洗器をご紹介します。 普段のカフェなどにて、お客様にも手を清めて頂く手洗器。 皆さん良くご存知のメーカーのもの、著名なデザイナーによりデザインされたものから、海外からの輸入された安価なものまで、今では様々なものを手に入れることができます。手洗器の素材も陶器だけでなく、金属やガラス、アクリルや人造大理石など様々です。 一般に流通している多くの製品は、工業製品として型を利用してつくられた大量生産品でもあり、どうしても均質なデザイン、見栄えになりがちです。 それは、信楽焼きなどの陶器製品でも同じであり、設計の段階からいろいろと思案していましたが、自身で用いるにはしっくりと来るものがなかなかありませんでした。 そこで手水鉢は毎年個展にも伺っている、陶芸家・橋本忍さんにお願いし、特別に誂えて頂くことにしました。 ![]() 外側は白い皹化粧、内側は光を受ける向きにより表情を変える鉄釉。 橋本忍さんの作品の魅力です。 ![]() 手水鉢を取付けたところ。 ライトの光を浴びて金色の釉薬が光彩をなしています。 ![]() 手水鉢に合わせて、壁の色は黒に近いベージュ色。 排水金物とSトラップも黒色のものを採用しています。 ![]() カウンターは松の古材を家具屋さんに加工していただきました。 塗装は水廻りでもあり、耐水性の高い自然塗料を塗っています。 ![]() 水栓はひねるとシャワーが出る、昔ながらのもの。 真鍮ですので、またすこしずつ色合いが変わっていくのも楽しめます。 手洗器に気に入ったものが見つからない場合は、思い切ってオリジナルのものをつくって頂くのも、ものづくりの製作時から楽しめることもあり、少しハードルは高いですが、とても魅力と愛着のある水まわりをつくる際の1つの方法です。 作家さんにより、製作して頂けない場合や、製作に時間が掛かる場合もありますので、短時間でつくりあげる建物での採用は難しいですが、じっくりと時間を掛けられるならば、取入れてみるのも良いかもしれません。 もし、どんなデザインにしたら良いか、使い勝手を良くするにはどうしたら良いかなど、なかなか想像出来ない際などは、お気軽にご相談ください。 ![]() #
by jell-architects
| 2016-07-02 20:00
| 金沢町家改修
2016年 06月 15日
玄関を入ってすぐ横にある、小間の茶室の前に、僅かながらの前庭と三和土をつくることにしていました。 三和土の作り方は施工して下さった左官職人さんから伺っていましたが、三和土をつくる場所が狭くかつ、廻りが仕上がっているため、実際に叩き絞める作業を行なうと、周囲が傷んでしまう可能性があり、本物の三和土をつくることは断念しましが、次案として、庭のぬかるみや雑草の防止に使われる、固まる防草砂を用いることにしました。 ![]() 砂利で締めた上に防草砂を撒いたところ。 広がり崩れないように、型枠を入れています。 ![]() 砂を均すことで成形・レベル調整ができるため、 踏み石・差し石廻りも楽に処理できました。 ![]() 砂だけでは、表情が出ませんので、小砂利を表面に撒いていきます。 本物の三和土でも表情が出るように色砂利を入れる点は同じです。 ![]() 水を軽く撒き、型枠を外して、周囲を成形します。 厚いところでは10cm程あったため、土手がうまく出来てなにより。 ![]() さらに水を撒くことで固化してくれます。 ![]() 次の日には固まり、周囲の土入れを行なうことができました。 ![]() 土の上に苔を入れたところ。漸く落ちついた露地にすることができました。 DIYでの工事の利点は、自分で材料や作り方をいろいろと工夫を重ねながらつくることができることです。伝統的な材料やつくり方とすることも出来ますし、新しい材料を上手に工夫して使うことも可能です。どちらの良いところも取入れながら、自分で納得のいくものに仕上げるられるのがDIYの醍醐味です。 ![]() #
by jell-architects
| 2016-06-15 20:00
| 金沢町家改修
2016年 06月 14日
改修前の古い町家や古民家を拝見すると、目にする機会が多い、新聞が貼られた壁たち。土壁が傷むのを防ぐため、すきま風を止めるために貼られたものです。 金沢には江戸期や明治に建てられた町家もまだ残っており、貼られた新聞も、昭和のものはまだまだ新しい部類に入ります。また、新聞に掲載されたその時々の記事をみると、当時の世相が垣間見えてきます。 東山の町家の押入は漆喰塗りがされており、新聞張りはされていませんでしたが、もう一度、漆喰塗りとはせずに新聞貼りとすることにしました。多分、今ではこのような発想をする方は皆無かと思いますが、この町家の歴史が新しく始まるこの機会の記念にもなりますし、面白そうなのでチャレンジすることにしました。 ![]() 新聞を貼る前の漆喰壁。 ![]() 貼るのはこの新聞。 イタリアより送って頂きました。 ![]() 使うのはでんぷん糊。 荷物整理の都合上、ホームセンター等で手に入る汎用品を使いました。 防カビ材などが含まれていないものもNETでは手に入ります。 ![]() 紙張り用の道具。 糊刷毛、押さえ刷毛、竹へら。 これらもホームセンターにて。 品揃えが充実していて助かります。 ![]() ![]() ![]() 左下から順繰りに貼り始めたところ。 イタリアの新聞は日本のものよりも紙が薄く、破れやすいこともあり、 高さを揃えたり、皺をなくすことが難しい。 ![]() 押入一間分を貼り終えたところ。 ![]() 漆喰塗りとは雰囲気が全く変わりました。 スパゲティチェアも似合います。 新聞貼りは思ったよりも簡単で楽しく貼ることができました。でんぷん糊を用いると、多少の貼り直しやズレ直しを行なうことも可能ですので、DIYでの工事を楽しまれるには良い機会だと思いますし、子供たちにも家づくりを楽しんでもらえるとのではないでしょうか。 ![]() #
by jell-architects
| 2016-06-14 20:00
| 金沢町家改修
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