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1 2016年 04月 25日
金沢市では若手の伝統工芸作家や職人の方の独立を支援する工房をいくつか設けられており、東山にある町家を改修した工房がこの6月まで募集されています。この町家は工房だけでなく作品販売もできるように、補助金を活用してきちんと改修されており、また、オープンされている際は改修した町家として見学することも可能です。 先日、工房のオープンハウスがあり、近所でもあるので覗いてきました。 ![]() 規模はそれほど大きくないにも関わらず、 火袋(町家の大きな吹抜け)はとても立派です。 ![]() 2階にも8畳程の小部屋があります。 ![]() 押入れは漆塗り後のムロにできるようにと設けたそうです。 ![]() 箱階段も当初の物を修理して、収納として活用できます。 ![]() 当日は第一期に入居されていた、金工作家・秋友美穂さんの展示がありました。 40㎡程の広さで、水道光熱費込みで50,000円/月とのこと。 シェア利用も出来るそうです。 金沢市内に居住すること、年齢制限があることなどいくつか条件がありますが、 金沢へ移り住んで、制作活動を行なうのにも良さそうです。 ひがし茶屋街から徒歩5分程の静かな場所です。 秋友さんのお話では、工芸・金工好きな方が調べて来訪されることもあるとのこと。 ご興味持たれましたら、ぜひアクセスしてみて下さい。 金澤町家職人工房 東山 募集のご案内(金沢市HP) ![]() ▲
by jell-architects
| 2016-04-25 08:30
| 金澤あるき
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2016年 04月 24日
畳に用いるイグサの国内の産地は熊本、岡山、石川県小松市などがあります。 この中で熊本産のイグサは国内産イグサの95%近くを占めていますので、「国内産の畳オモテ」と指定すれば、熊本産の畳オモテになります。 これらの産地ではより高品質なイグサを生産・供給できるように取組みがなされ、出荷証明書(どのような畳オモテを、どれくらいの数量分出荷したか)を発行できる体制が取られています。 ![]() 東山の町家に用いた畳オモテの出荷証明書 ![]() 減農薬イグサでつくった畳オモテなので、 生産者された方の資料を頂くこともできます。 有機肥料で育てた、天然泥染めの畳オモテです。 上記の畳オモテは『豆月』のカフェスペースにも用いています。 耐久性や色どりから、和紙や樹脂を用いた畳オモテを用いられる場合もありますが、良質な本物の畳オモテにもぜひ触れていただけると嬉しいですし、多くの方々に使って頂くことにより、今回の熊本地震の復興にも繋がることを願います。 最後に、石川県の地産地消産品である、小松畳オモテは現在では生産農家が1軒しかありません。今回は用いることができませんでしたが、また機会があれば用いてみたいと考えています。 ![]() ▲
by jell-architects
| 2016-04-24 21:00
| 金沢町家改修
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2016年 04月 22日
熊本で起きました地震にて多くの方々が被災されましたこと、お見舞い申し上げます。 余震の行方も不確かな状況の中、不便な生活を余儀なくされての心労も多いのではないでしょうか。一刻も早い地震の沈静化を祈るばかりです。 建物への被害は、今回の地震でも瓦屋根の住宅の倒壊が報道されており、地震が少ないと思われていた場所での直下型地震と、その耐震対策に改めて思案を巡らせる日々です。 今回の地震だけでなく、阪神大震災や能登、新潟の地震などの直下型地震では、木造住宅をはじめとした建物の損傷が大きいように見受けられます。これは、遠方での大きな地震よりも、近くでの直下型地震のほうが、加速度(ガル値)が大きく、建物が速い速度で大きく揺すられるためでもあります。 町家や古民家のような開放的な間取りで、柔らかくしなやかな構造の建物は、新築の木造住宅などの箱形の建物よりも単体形状としての強度が劣ることは事実です。(紙の箱でも固い箱と柔らかい箱とどちらが形を変えやすいかの違いと似ています。) 一方で町家や古民家のような建物は耐震壁でもある土壁の変形性能が高く(建物が傾いていった際にも土壁が一気には壊れにくい)こともあり、かなり傾いているのに、潰れないケースも見られます。 現在の建築基準法の耐震設計は、震度6強での建物倒壊=潰れて下敷きにならないことを最低条件として制定されています。 また、建物の耐震性能はこれまでの地震の経験を経て、徐々に向上してきており、新しい耐震基準で建てられた建物のほうが耐震性は高くなります。(建物形状や設計時の想定による個々の建物の耐震性の違いを除きます。) 中古の建物の購入を検討する際に、新耐震か旧耐震か(昭和56年以後なのか以前なのか)を確認するのはこのことが理由です。 建築基準法が制定されてから、長らく、土壁の壁倍率(壁の耐震性能の値)は0.5倍でした。(筋交いや合板を用いると1~5倍とすることが可能)これは町家や古民家の土壁は耐震という考え方が生まれる以前の造り方で作られた壁であり、その材料も作られ方も、バラツキがあることによります。 現在では新たにつくる土壁は、様々な実験を経て制定された基準により、1~1.5倍の壁倍率を持たせることが可能です。 金沢の町家の土壁は、小舞の材料が竹よりも弱い葦であったり、土壁の足元が土台や梁に達していないものがあるなど、きちんとつくられた土壁よりも強度が落ちるものも散見されますので、改修する際は、新しく壁をつくるなどの方法にて、出来るだけ耐震性を向上させることが、建物の寿命を伸ばす点からも重要になります。 鰻の寝床型の町家では、玄関側や中庭側の開口幅が広く、壁がほとんどない場合が多くみられますし、縁側のある古民家でも同じようなケースがあります。 このような開口幅が広い建物は地震などにより、揺れ易いため、改修する際はできるだけバランス良く耐震壁を設けることが、耐震性を向上させることに繋がります。 ![]() 町家や古民家を安価に購入し、DIYでの改修を行なうことも建物と暮らしを楽しむ1つの方法ですが、折角の改修ですので、耐震性の向上にも配慮するほうがより安心感が増します。金沢では旧市内やこまちなみ地区、重伝建地区にある町家を改修する場合、耐震性を向上させる工事への補助金制度を設けていますので、改修の際はぜひ活用を検討してみて下さい。 ○補助金のご案内 ![]() ▲
by jell-architects
| 2016-04-22 20:00
| 金沢町家改修
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2016年 04月 16日
![]() ▲
by jell-architects
| 2016-04-16 08:23
| つれづれ
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2016年 04月 07日
小間の茶室の障子紙には本美濃紙を用いています。 昨年、工房にお伺いしました保木工房さんの本美濃紙です。 保木工房さんのブログでは、和紙の原料となる楮の栽培〜原材料としての生産や、保木工房さんの透かし型の和紙のお話しなど、また興味深い記事を掲載されていますので、是非会わせてご覧頂ければ嬉しいです。 (ご紹介致しました際の記事はこちら「ユネスコ無形文化遺産の和紙を求めて」をご覧下さい) 前回の訪問から半年以上経ていましたので、 今回使用する紙はこの冬の時期に漉いて頂いたものです。 ![]() 紙漉職人・井上さんに和紙を漉いている様子を送って頂きました。 ![]() 小間のお茶室の連子窓の障子 お茶室の障子によく見られる石垣張りにはしていないのですが、 (一枚の障子紙を張るのではなく、より小さいサイズの和紙を貼り合わせた障子紙の張り方) 和紙を漉く際の簾の痕跡が程よい陰影を生んでくれています。 ![]() 五匁の厚さの紙は薄らとした光が透けつつも、 繊維が絡みあった柔らかでしっかりした表情です。 この自然な表情が機械漉きの和紙では出ません。 ![]() 大下地窓の障子。 下地窓の萩と藤蔓の影が和紙へ映り込んでいます。 ![]() 小間の茶室以外の障子紙はコストを抑えるために、 本美濃紙を用いてはおらず、 上の写真の障子紙を使っています。 紙の表情は繊維が入り交じり、良い表情ですが、 光の透過具合は本美濃紙のほうが柔らかく美しい姿です。 ![]() 小間の茶室の手前座上の障子裏に仕込んだLED照明も ![]() 眩しい光が柔らかい光へと変えることができます。 この後、各部屋の腰紙にも本美濃紙を張る予定です。 季節や一日の時間の経過にあわせて変化していく光の移ろいも、 障子紙を通して眺めることで、また楽しみが広がります。 ![]() ▲
by jell-architects
| 2016-04-07 20:00
| 金沢町家改修
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2016年 04月 06日
いよいよ畳が搬入されてきました。 フローリングやタイル貼りなどの床仕上げの場合は、工事の進捗に応じて、壁仕上げの前に施工されますが、畳は汚れや日焼けが進行しないように、工事の最後に搬入と据付けを行ないます。 畳オモテは減農薬のオモテを用いています。 畳オモテにはグレードがあり、価格も異なりますが、安価なものは輸入品かつ着色品であったりと、品質・安全性が不確かなものもありますので、私が設計する際は減農薬の畳オモテを指定しています。 無農薬の畳オモテもありますが、以前用いた際に、減農薬のオモテよりもいぐさの腰が弱く、割れが生じ易かったこともあり、減農薬畳オモテを標準にしています。 また、芯の糸に麻を用いているか、綿を用いているか、1本なのか2本なのかにより、編み込めるイグサの量も変わります。綿よりも麻、1本より2本の方がよりたくさんのイグサを編み込むことができ、きめの細かいオモテになっています。 畳床は藁の本床。今回はこの家にもともと有った畳床を用いたり、畳屋さんのお手持ちの畳床を用いて頂いてます。 お茶室に用いる畳は柔らかな本床の畳のほうが、新品よりも座り心地が柔らかく、長時間の正座も楽になります。 古民家・町家では古い畳の下には必ずと言ってよいほど新聞紙が敷いてありますが、すきま風や埃落下防止用であり、現在の家のように、ベニヤ板下地や荒床でも断熱材を入れた下地の際は新聞紙の敷き込みは湿気の滞留の元になるので、控えた方が良いとの畳屋さんのアドバイスを頂いています。 ![]() 六畳の茶室の畳から入れていきます。 真新しい、青畳の香りが広がる中での作業です。 半端な畳オモテを下に入れて、微妙な高さと踏み具合を調整します。 縁は純綿縁。弁柄色の柱がありますので、純黒よりも茶無地を選定しています。 ![]() 四畳半まで敷き込み完了。 綿+麻の二芯の畳オモテです。 金沢は中部地方でもあり、関東より京都にも近いため、 京間〜中京間のタタミサイズではと思っていましたが、 関東と同じ柱〜柱間での割付けです。 つまり部屋の広さによって畳のサイズが異なります。 これを自然に見せるようにつくるのは畳屋さんの腕です。 ![]() 小間の茶室は京間サイズの新品の畳床です。 京間畳は大きさが決まっており、 茶道の所作も京間サイズを基準としているので、本来は全て京間畳が理想です。 ![]() 2階の和室の畳。 光をうけたオモテの艶が美しい。。 普段の生活の場なので、オモテは綿二芯と少しグレードを落としています。 縁は壁の色にあわせて若干紫がかった無地のものを選定。 ![]() 畳の側面。 この向きに並べてみることはメンテナンス時以外にはなかなかありません。 あとは襖や障子、その他の木製建具の建て入れです。 ![]() ▲
by jell-architects
| 2016-04-06 20:00
| 金沢町家改修
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2016年 04月 05日
六畳の茶室は京都の聚楽土を水捏ね仕上にて施工していただきました。 水捏ね仕上げは、下塗り土、固めの仕上げ土、最後に柔らかめの仕上げ土と、一度に3回の鏝仕上が必要なため、塗り厚さは総厚5mm程度を1日で塗ります。一方で、厚さのある柔らかい土を平滑な壁に仕上げなければなりませんので、高い技術が必要とされる仕上げです。 ![]() まずは下塗り土を練ります。 ![]() さらに、仕上土の下塗り用と最後の仕上げ用の土を練ります。 下塗り用の土が思ったよりも固い練り具合です。 ![]() せまい箇所にて試し塗りを行なってから、作業を進めます。 ![]() その間に、僅かなムラの箇所の手入れをして下さいました。 割れが生じないように、補強に薄い美濃の和紙を伏せ込み。 ![]() 下塗り土にて、床の間の下地窓まわりの角を出していく左官屋さん。 細いこまい竹廻りの納めは大変。 ![]() ![]() 仕上土の下塗り。さらに定規を当てながら角をだしていきます。 定規は手で押えずとも、水の力で壁に吸い付いています。 鏝の波を消していくのにとても気を使われています。 ![]() 仕上土での下塗りは2〜3mm程とかなり厚く塗ります。 ![]() 床脇の下がり壁の仕上塗り 仕上塗りはとても柔らかい練り具合の土です。 ![]() 塗り終えるとしっとりとした ビードロのようなテクスチュア。 水が引いて乾いていくのが楽しみな色調です。 ![]() 作業は床の間を終え、室内の大きな壁へと移ってきました。 下塗り土を薄く塗る左官屋さん。 ![]() 鏝の向きを変えつつ、隅も均していきます。 ![]() 一般的な聚落塗りでは一人で1日で終える作業も、 水捏ね仕上では六畳の部屋の壁塗りに、二人掛かりでも二日間かかっています。 土を塗り重ねるという昔からある、方法としてはとてもシンプルな壁のつくりかたですが、下地から仕上までには様々な工程があります。 一方で、時間と職人さんの技を込めながらつくりあげて頂けることは、昨今の時間に追われた簡便な施工方法と比べてとても贅沢なことでもあります。 家をつくることはその後の長い生活を包み込む空間をつくることでもあり、何をするにしても決して安価なことではありませんので、様々な事柄に思いを馳せつつ、時間をかけて考えて悩みつつ進めたり、つくる際にもできるだけ見学したりして頂ければ、さらに愛着深い濃密な体感が考えられるのではないでしょうか。 ![]() ▲
by jell-architects
| 2016-04-05 20:00
| 金沢町家改修
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2016年 04月 04日
左官工事もいよいよ仕上の最終工程に来ています。 土塗り壁の仕上では、土の種類を変えずに各部屋の仕上げ方を若干変えていますので、「豆月」がオープンしましたら、見学にいらして頂けますと本物の土壁仕上げを比較してみて頂くことができます。 玄関土間の壁は中塗り仕上げ。 普通は聚落塗りなどの下地につかう土と砂、寸莎を配合した塗り土を用いて、仕上げ塗りをしてもらうのが、中塗り仕上げです。 他の仕上壁よりもテクスチュアのあるざっくりとした柔らかな仕上げになります。 但し、塗る厚さも厚くなりますので、塗るには技術が必要です。 ![]() ざっくりと土を着けていく左官屋さん ![]() つづいてムラがなくなるように鏝で仕上げていきます。 ![]() 塗り上がった直後の壁。 水を含んだ土が光を反射しつつ、寸莎の表情が表面に現れています。 ![]() 水が引くとこんなテクスチュアに変わります。 二畳の茶室は聚楽土に錆入りの仕上。 ![]() 聚落土に五厘サイズの鉄粉を混ぜ込んでいますので、のちのち壁に錆の華が咲いてきます。 ![]() 桁上の面戸が仕上がっていました。 丸い桁と竹垂木、薄い天井板に囲まれた狭い場所を塗ります。 ![]() 玄関側の大下地窓の壁面は既に塗り終えていました。 ![]() 連子窓側を塗る左官屋さん 小間の茶室は枠廻りや丸太の柱など、細かい仕舞いが多く、神経を使います。 ![]() 茶道口のRになった断面にとりかかり。 鏝も今回のRのサイズに合わせてつくって下さった手づくりの鏝。 ![]() Rの断面のまま、全体に山なりにして頂いているので、かなり手間もかかります。 ![]() 塗り終えた壁。 茶道口と一体になった壁床の広い壁面も綺麗に仕上げて下さいました。 ![]() 大下地窓の室内側も完了。 次回は六畳のお茶室の水捏ね仕上げをご紹介します。 ![]() ▲
by jell-architects
| 2016-04-04 09:00
| 金沢町家改修
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