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2025年 01月 01日
![]() 2024年1月能登地震直前の金沢の冬景色は穏やかな晴れ間でした 昨年元旦に起こりました能登地震ならびに 昨秋の豪雨によりご不便やお疲れも多く 落ち着かれない日々を過ごされている方々にも 早く普段の暮らしへと戻られることをお祈り致します。 金沢は普段の暮らしや経済活動に戻りながらも 地震被害の修理をさせて頂いたりと 日々慌ただしく過ごさせて頂いております。 昨年中に完成、手掛けきましたProjectなど 少しですがご紹介させて頂ければと思います。 「むつのはな・福井丸岡町」 福井県丸岡町にある大きな邸宅の蔵を飲食店へ改修しました。 ![]() 改修前写真 宅内の納戸として使われていました。 蔵としては昭和期の新しい建物ですが壁は土で出来ている「土蔵」です。 天井も高く壁も綺麗な状態です。 ![]() 店内写真 食材や調理の様子も楽しんで頂きながら 出来立てをお召し上がり頂きたいとのご要望に合わせて カウンター席オープンキッチンにしています。 食器もお料理に合わせて様々なものにて提供されるため 内装・照明はできるだけシンプルにしました。 ![]() 改修前玄関写真 大きな蔵はバックヤードとして勝手口になっていました。 ![]() 玄関の写真 主屋の門~玄関前を通り、店舗の入口への至ることもあり 入口の戸は古建具の蔵戸から厳選しています。 イタリアンを東京で、和食を京都で学ばれたシェフが 四季折々の福井の食材を使いながらの料理店です。 大変立派な邸宅ですので、 機会ございましたら是非ご利用頂けますと嬉しく思います。 金澤町家は金沢市の補助金を活用した改修が 春先に2件完成しました。 「金澤町家・東風 TONG-POO」 ![]() 新しい格子戸も入り、金澤町家らしい外観に戻りました。 お引渡後もオーナー様がご自身で手を加えられた 愛着のこもった町家での滞在をお楽しみ頂けます。 25坪程のコンパクトな町家ですので 取得~改修の参考にもなりますと幸いです。 「こまちなみの家」 金沢市のこまちなみ保存区域にある町家を改修し 金沢市の保存建物に認定されました。 ![]() 外観 長年の間に手を加えられていた部分を減築し 残っていた格子窓を活かしながら元の外観へと復原していきます。 背の高いブロック塀も板塀につくりかえしています。 ![]() 1階座敷~縁側 1階座敷は使いやすいようにフローリングに改修 床の間だったスペースにはTVが置けるよう 床下にコンセントなどを設けています。 壁は群青色の聚楽塗り、縁側は土縁。 サッシは再利用して改修コストを抑えています。 ![]() 2階座敷~縁側 2階の座敷は改修前の床の間・縁側床板・手すりを 活かしながら、畳を新しくしています。 壁の色は金沢市湯涌江戸村・山川家住宅の壁色をモチーフにした オーダー色を左官職人さんに塗って頂きました。 光の当たり方により、色合いが変化する点も楽しみの1つです。 ![]() 2階吹き抜け 改修前からある大きな天窓をペアガラスに改修し、 小屋裏収納も除去。明るいスタディスペースにしています。 床のアクリル面から1階にも光が落ちます。 「実成寺・山門」の修理工事は年度末に無事終えることができました。 ![]() 修理前の山門 瓦の乱れ・軒の傷み・棟の銅板の剥離など 一見では分かりにく箇所に経年劣化が進んでいます。 ![]() 修理後 修理を終えても修理前と変わらない姿と なることがとても大切です。 ![]() 屋根瓦の乱れ 屋根瓦は中央部は汎用性のある 新しい瓦が使われていますが、 袖丸瓦や妻面は古い瓦が使われています。 瓦葺きとされた当時の瓦が残っている可能性も考えられ 文化財として大切な部材です。 ![]() 隅瓦の修理前 瓦の納まりが悪く、簡易修理として板金を差し込んだり、 モルタルを詰めたりしてあり 雨漏りにより 下地板の傷みが進んでいると考えらます。 ![]() 冠木の錺金物 境内側は錺金物が一部欠損しています。 薄い銅板を曲げた板金ではなく 厚板で製作されています。 ![]() 境内側の柱の足元 柱に亀裂が入り、足元の礎盤石にも大きな亀裂があり 隙間をモルタルで埋めていました。 ![]() 柱下の礎盤石 修理前は交換する予定でしたが足元を掘り起こしてみると 下部の玉石=自然石部分まで一体の大きな石を加工してあります。 同様の石を交換~設置することは不可能なため 亀裂部分を修理することにしました。 ![]() ジャッキアップ 柱の割れと足元の腐朽、礎盤石の修理を行うために ジャッキアップを行なっています。 屋根が大きく上部が重い四つ足門ですので 慎重に作業を進めます。 ![]() 亀裂修理前の石 柱の足元を棟梁が根継を行い 石工職人さんが破片を砕き粉状にした材料で補修し 修理痕がわからないようにしていきます。 ![]() 亀裂を修理した石 ![]() 屋根の下地 瓦を下ろし、当初の屋根下地の状態を確認します 過去の雨漏りにて野地板や棟も傷みが大きく 踏み抜きそうな箇所もありました。 ![]() 軒先の柿板 薄い板を重ね、竹釘で留めてあります。 雨水が回り込み傷んでいる板を今回の修理にて交換し 隙間も細い木材で埋めていきます。 ![]() 野地板の墨付け跡 古い野地板の裏には木組の墨付け描かれていました。 この門が建てられた当初の野地板であることが分かります。 ![]() 梁の墨書き 立派なケヤキの梁には新築時に 棟梁が書いた毛筆書きも残っています。 ![]() 修理後の屋根下地 傷みの大きな妻面~軒先は新材に交換。 平場上部に当初の野地板を保存再利用し 建物の経歴を未来へと伝えます。 ![]() 棟瓦葺き 屋根瓦は全て下ろし 検査・清掃を行った後に葺き直します。 傷んでいた銅板は交換。 鬼瓦には「卯辰山」の刻印があり 当時、金沢で焼かれた瓦であることが分かります。 ![]() 修理後側面 瓦~軒先も整い ピシッとした姿になりました。 冠木錺は元の錺は保存しつつ その上に新しい飾りを被せています。 引き続き、松山寺様の修理にも携わらせて頂いております 金沢市指定文化財・本堂の内装の修理の一部をご紹介致します。 ![]() 床の間の壁表具貼りの修理 壁の白い紙貼りが経年劣化のため大きく裂けています こちらを貼り替えを行いました。 ![]() 表具貼りの下地板 表面の紙を剥がしてみたところ 下地は昭和30年代の新聞紙 その下は無垢板とベニヤ板が併用されており 比較的新しい年代の工事であることが分かりました。 貼られている紙の枚数が少なく紙質も良くなかったり 板幅が大きく、上下の材質が異なることなどが 大きく裂けてしまう原因となっていました。 ![]() 下地板を無垢板にやりかえ 節のない整った小幅の板に変えることで 下地の動きが小さくなるようにし 目地処理しています。 ![]() 伝統的な壁表具貼り その1 緑色の紙は下地板を止める胴張り その上に反故和紙にて蓑貼りを行います。 ![]() 伝統的な壁表具貼り その2 さらに浮け貼りを行い 仕上げ紙の貼り下地をつくっていきます。 下貼りだけで合計7回貼り重ねています。 ![]() 仕上げに用いる紙は越前鳥の子紙 ![]() 完成 鳥の子紙を貼り終え 置床を戻し、掛け軸を掛け直して完成。 とても簡単に書いていますが 壁に本物の和紙を貼ることは現代ではほとんど無く 皺が寄らないように真っ直ぐ貼る技術 紙の隅を決してまっすぐではない柱などに沿って切る技術 糊を均一に伸ばす技術など 現代の名工による表具の仕事には感服しかありません。 能登地震により金沢でも一部の建物などには被害がみられ 松山寺様でも修理を要する被害がありました。 ![]() 壁の剥離・亀裂 地震により火灯窓の周囲に亀裂が入り 漆喰が剥離しています。 ![]() 壁塗りを落とし 下地塗りから修理していきます ![]() 修理後 火灯窓の縁取りもしっかりと 参道石垣の崩落もありました。 ![]() 地震後に崩れた石垣をブルーシートで覆った応急処置 ![]() 崩れた石垣 上部の塀は昭和期につくられた乾式の軽い塀であったため 幸いにも崩落は免れていました。 崩れた石垣の奥に玉石積みがあることから 古い石垣があるのかもしれません。 ![]() 崩れた石も処分せず、修理まで保管 ![]() 石垣を積み直す前に並べて確認 崩れて順不同なため適切な箇所に再使用していきます。 ![]() 積み上げていく様子 ![]() 強度を考慮し、裏面には1段ずつ コンクリートを充填していきます。 ![]() 無事、修理を終えた後 形の違う自然石を1つずつ丁寧に積み上げて頂いています。 地震では石垣だけでなく、墓石なども多く倒れ 石川県内の石工職人さんも手一杯となり 今回の修理では福井の石工職人さんが従事してくださいました。 寺門にある「不許葷酒入山門」の石柱も 越前の石工職人により造られたとの銘もあることから、 ご縁を感じます。 金沢職人大学校・造園課の実習記録に 引き続き従事させて頂いております。 ![]() 京都研修・東福寺光明院・重森三玲作の枯山水 庭園や灯籠・庭石など 普段は至らない点も様々勉強させて頂いています。 ご紹介しきれないことも沢山ありますが 能登の復興にも微力ながらお手伝いさせて頂いております。 引き続き、お引き立て賜りますと幸いです。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 ![]() #
by jell-architects
| 2025-01-01 00:00
| 金沢暮らし
2024年 01月 01日
地震に被災されました方々へ、お見舞い申し上げます。 新年早々にも関わらず、強い地震により、 ご不自由、ご不便も今後さらに起きてくることもあるかと思いますが、 お心を強く、お持ち頂けますと幸いです。 以下、地震発生前にアップ致しました。 どうか落ち着かれましてから、読み進めて頂けますようお願い致します。 金澤町家改修ものがたりも新しい年を迎えての投稿です。 昨年中に完成、手掛けておりますProjectなどご紹介できればと思います。 金澤町家は金沢市の補助金を活用した改修が今春完成予定です。 ![]() 「東山の町家」 改修前の外観 道路側には町家らしい出窓が残りますが、側壁は錆びたトタン張り。 柱や梁はしっかりしている町家です。 この町家は「金澤町家再生活用事業」の補助金を活用しています。 ![]() 外壁は板張りに換え、窓も木製に改修します。 ![]() 他にも数件、工事中〜調査・設計中のプロジェクトを進めています。 ☆ 「橋場町の家」 町家以外の住宅の改修も依頼頂きました。 オーナー様は金沢での二拠点居住先とされます。 ![]() 改修後の玄関ホール 平成初期築の立派な日本家屋ですので、 玄関ホールは壁を群青色への塗り替えまでとしています。 ![]() リビング~キッチンへ 畳をフローリングに、キッチンとの間の壁を抜いて、床暖房も新設。 ![]() 洗面のミラーキャビネットは間接照明に ミラーキャビネット裏の窓からも間接光が入るように改修。 ![]() トイレはモダンな和柄クロスと弁柄色と金箔があしらわれたタイルに。 ☆ 店舗内装として、青山根津美術館向かいにて TANAKA 青山のショップを手掛けさせて頂きました。 ![]() 引き続いて古民家の蔵を店舗へリノベーション 「むつのはな新店舗」 こちらも来春オープン予定です。 ![]() 主屋玄関 大変大きな古民家です。 ![]() 蔵の改修前 こちらの蔵を改修しています。 ☆ 昨春、修理を終えました金沢市指定文化財「松山寺・本堂」の向拝(玄関)の修理です。 ![]() 修理を終えた向拝の外観 文化財は経年変化もその価値とされますので、 修理の際も直した箇所が目立たないようにします。 (修理前の写真は1つ前のブログをご覧ください) 金沢職人大学校で学んだご縁から、金沢市指定文化財の修理設計監理に携わらせて頂きました。 加賀八家・横山家の菩提寺でもあり、本堂は藩政期(江戸時代)およそ230年程前に建てらたもの。 向拝は今回の調査にてまた他の向拝を移築したものである可能性が分かりました。 ![]() 修理前の軒先 長年の風雪による雨漏りと軒先の傷み・垂れ下がりがありました。 ![]() 瓦解体後の軒先 傷んだ部材が折れています。 ![]() 修理完了 軒先はまっすぐに、傷んだ部材は交換しながら 修理・再使用できる部材は再度取付けしての修理です。 ![]() 正面の瓦に隠れていた、こけら葺き写真 正面の唐破風には、瓦に葺き替えられる前の屋根:こけら葺きが残されていました。 これも保存し、その上に新たに瓦葺きを行っています。 ![]() 柱根継の写真 棟梁の高い技術が垣間見られます。 傷んだ柱の足元も根継して修理。強度を確保しながら 外から見た際に修理箇所分かりにくい形状とし、 経年での柱の影も合わせて形作られています。 ![]() 檀家様への修理内容の説明・見学会もさせて頂きました。 ☆ また、棟梁からのご縁にて、 寺町「実成寺・山門」の修理工事もお手伝いさせて頂いています。 (寺町・重要伝統的建造物群保存地区内) ![]() 大通りに面した、山門 1249年の築と伝わっています。 ![]() 門正面の獅子装飾の1つ 装飾が活き活きとしてとても立派です。 ![]() こちらも工事中の雨風を防ぐ素屋根を掛けて瓦の葺き替えを行っています。 ☆ 自己研鑽として新たに、 金沢職人大学校・造園課の研修記録作成担当として、 11月より3年間、研修にご一緒させて頂くことになりました。 専門外にも関わらずお声がけを頂き、一から勉強しながら記録を行っています。 昨年末には、雪吊りや土塀の菰掛けにも参加させて頂いています。 ![]() 職人大学校構内の雪吊り。 金沢の冬の景観を形作る雪吊りも技術の継承・研鑽に支えられています。 ☆ お茶会へは今年はなかなか時間が取れず、最低限になってしまいました。 所属する東千家の創流70周年記念茶会は国立博物館にて、 東千家の研究会は京王百草園にて、それぞれ参加させて頂きました。 お茶会の開催は、月釜「月丿樂釜」への参加ともお休みさせて頂いています。 年明けからは新しい町家の調査から改修設計など新たなプロジェクトを進めさせて頂きます。 引き続き、お引き立て賜りますと幸いです。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 ![]() #
by jell-architects
| 2024-01-01 12:00
| つれづれ
2023年 01月 02日
年末の大雪も溶け、穏やかな新年を迎えることができた金沢です。 漸く普段の暮らしが戻りつつあるように感じています。 金澤町家改修ものがたりも新しい年を迎えての投稿です。 昨年中に完成しましたProjectなどご紹介させて頂ければと思います。 金澤町家の改修は今年も2件が完成しました。 「Artist in 金澤町家 小立野」 金沢美術工芸大学様と株式会社三谷産業様との共同事業による アーティスト・イン・レジデンスの第1号物件の改修・設計をさせて頂きました。 昨秋より、アーティストの方の滞在~活動が始まっています。 ![]() 昭和初期にこの場所に移築された60坪ほどの大きな町家。 外観は当初の格子戸・外構を活かしながら修理しています こちらの建物は金澤町家流通コーディネート事業での調査から携わらせて頂いており 思い入れも深い中、大きな町家が有効利用されることになり大変嬉しく感じています。 ![]() 1階の土縁は当初から残る厚いケヤキ材の浜床、化粧掛け込み天井、雨戸を活かし、 壁の色は当初のベンガラ色を再現しています。 ![]() 2階は廊下と壁で仕切られていた和室をアーティストが滞在する広々としたLDKに改修。 窓ガラスや障子、天井はこの町家の当初のものを再利用しています。 「寺町の町家」 この町家は金沢へ移住される方が取得・改修設計をさせて頂きました。 もう10年ほど前になりますが、私も町家を探していた頃に拝見したこともありました。 ![]() 改修前の外観 大正期に建てられた武士系近代和風の町家。角地にあり 前庭と共に横庭・裏庭のある、暮らし方が想像しやすい間取りでした。 ![]() 改修後の外観 ブロック塀を板塀とし、外壁の板壁・漆喰塗りを修理。 見違えるように蘇りました。 ![]() 近隣にも町家が残る金沢らしい街並みも、建て替えが進むと無くなってしまいます。 大正期に分譲されたと考えられる近代の街並みはとても貴重です。 ![]() 新しい吹き抜け 室内は一部の床を取り外し、吹き抜けを新設。 時代が古く天井が低めの町家でも広がりを持たせることができます。 暑さ寒さ対策のために、丸太の梁にシーリングファンも設置。 ![]() 土縁 多くの町家で床が張られてしまっている土縁は、 オリジナルの状態に戻し、庭とつながる開放感を得られます。 格子戸は古建具を購入・調整しています。 ![]() キッチンは改修した際に使いやすいように、 既製品ではなくオーナー様のご要望を伺いながらフルオーダーにて製作しています。 また、 金沢職人大学校で学んだご縁から、金沢市指定文化財の修理設計監理に携わらせて頂いています。 ![]() 昨秋より携わっている金沢市指定文化財「松山寺・本堂」 こちらの向拝(玄関)の修理です。 加賀八家・横山家の菩提寺でもあり、 本堂は藩政期(江戸時代)およそ230年程前に 建てられたことが棟札から判明しています。 ![]() 素屋根を掛け、屋根もやりかえる修理工事です。 本堂・玄関は元々は別々の建物だったものが移築されたとの調査もあります。 柱などのズレ、移築時に再利用された部材など、調査・修理も難しい箇所もありますが、 木造の建物は移築・再利用できること、 風雨を受け幾度も修理されている中での大々的な修理になることもあり 百年、二百年先を見据えながらの仕事に身が引き締まる日々です。 金沢職人大学校の経験豊かな諸先輩方に尽力頂きながらの工事です。 月釜「月丿樂釜」も引き続き、釜をかけさせて頂きました。 リンク先:https://www.facebook.com/tsukinogakufu 私たちの担当は2月、6月、7月でした。 ![]() 2月は豆月・東休庵にて供茶を。 ![]() 6月は大河ドラマにちなみ、大磯の古刹「鴫立庵」にて釜を掛けさせて頂きました。 ![]() 7月はご縁を頂き、金沢近郊の山中での茶会。 今年は金沢だけでなく、東京での仕事もさせて頂く予定です。 引き続き、お引き立て賜りますと幸いです。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 #
by jell-architects
| 2023-01-02 18:00
| 金沢町家改修
2022年 01月 01日
穏やかな新年を迎えられましたことと存じます。 金沢では、積雪もさほどではなく、穏やかな新年となりました。 金澤町家改修ものがたりも久しぶりの投稿です。 ![]() 1番で積もった屋根雪は20cmほど。 氷柱の下がる瓦屋根越しに青空が広がりました。 旧年中は多くの方々のお世話になりながら、充実した1年を過ごすことができました。 たくさんのご支援を頂戴しながら、お陰さまでカフェ「豆月」も5周年を迎えることができました。 改めてお礼申し上げます! 私自身の技能向上としまして3月に、金沢職人大学校・修復専攻科第7期を修了しました。 ![]() 歴史建造物修復士認定の盾と法被。 3年間にわたり毎週1回、通い続けます。 様々な座学や実習・研修を経験・勉強させていただくことができました。 歴史建造物に携わる設計や行政の方々だけでなく、大工・左官・板金・建具・畳・石工など、日本の伝統的建造物に携わる職方さんと一緒に3年間に渡る研修をさせて頂きました。巡り会うことが出来た方々とのご縁はこれからも大切にしていきたいと思います。 仕事では、引き続き金澤町家の改修・利活用に携わらせて頂いています。 昨春には2件が完成。 どちらも金沢市の特定金澤町家に認定、補助金を活用しての改修。 完成後は金澤町家研究会より優良金澤町家へ認定頂きました。 元金箔商家だった町家を、金澤へ移住されるご夫婦が購入され、新しく宿泊施設をオープンされました。 ![]() 外観:ゆらぎ硝子を採用したりと随所にこだわりが。 ホームページでは、改修後の施設・宿泊室もご覧頂けます。 ![]() 町家らしさを体験してほしいとのコンセプト、 室内は快適な中、懐かしさも感じながら滞在頂けます。 お庭も素晴らしい! 「兼六園Enigma W」さん。 明治初期の武士系住宅を大切に受け継がれてきたオーナー様より、 活用してもらいながら、これからも大切にしていきたいとの、ご依頼にて改修させて頂きました。 ![]() 外観:庭に面した土縁を復活。 ![]() 内観:手水鉢と踏石も元々のものを設置。 金沢にてフォト・ウェディングを手がけられている 「エニグマ・ウェディング」さんがご利用してくださっています。 利活用の素敵なシーンをご覧頂けます。写真がとても綺麗! 私たちもコロナ禍が収まったら家族写真撮影にお伺いしたいなと思っています。 月釜「月丿樂釜」もメンバーと一緒に途切れることなく毎月、釜をかけさせて頂いています。 私たちの担当は2月、3月、4月そして12月。 ![]() 2月末は「豆月」於いて。コロナもあり、メンバーを招いての茶会でした。 「町家ゲストハウスかるた」さんでの竣工記念茶会。 ![]() ダイニングキッチンだった8畳間を京間四畳半の茶室に改修。 躙口も新しくつくっています。 「兼六園Enigma W」さんでの竣工記念茶会。 金沢では茶道は暮らしの中での嗜みの一つだったこともあり、 「炉」が切られている町家も多くあります。 武士系住宅であるEnigmaW さんにも炉が残されていました。 ![]() 部屋の使い勝手を考慮し、6畳から7畳へと1畳増やし、炉を向切にしています。 京都光悦寺の本阿弥庵と同じレイアウトです。 床柱・床框は元のものを生かし、下地窓は改修に合わせて復活。 12月は久しぶりに「豆月」にて釜を掛けました。 ![]() 金沢へ移り住む前からお世話になっている方々を お招きさせていただき、お茶を一服差し上げることが出来ました。 金澤町家研究会では、金澤町家の改修事例集「金澤町家-改修と活用」の編集・出版に携わらせていただきました。 「豆月」とともに「ギャラリー日色 Hiiro」さん、ひゃくまん焼き「多華味屋」さんを掲載頂いたり、 各記事も執筆させて頂いています。 ![]() 表紙は「町家ゲストハウスかるた」さん、「兼六園EnigmaW」さんも。 書籍は「豆月」でも購入いただけます。 今年は、9月から改修工事中の金澤町家(60坪ほどと、金沢でも大型の町家です)が春頃に完成予定。 ![]() 他にも設計~改修をさせていただく金澤町家と、寺社の修理にも携わらせていただくことになります。 引き続き、お引き立て賜りますと幸いです。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 ![]() #
by jell-architects
| 2022-01-01 00:00
| 金沢町家改修
2019年 04月 01日
ひがし茶屋街の入口、浅野川大橋の袂の観音町で進めてきた 金澤町家の改修もこの3月に完成、 今日、「多華味屋」としてオープン致しました! ![]() ![]() そのオリジナル型を使った焼き饅頭「ひゃくまん焼き」 ![]() お店では店頭での販売の他、カフェとしてもご利用いただけます。 ![]() 築150年を超える、藩政期の金澤町家をオリジナルの意匠に復元。 出入り口は上げ下げの板戸です。 弁柄色も弁柄粉と柿渋を調合しています。 ![]() 改修前はモルタル&アルミサッシの外観。 ![]() 2階の格子と障子戸もオリジナルのデザインに復元。 ![]() ![]() 吹き抜け上のトップライトは元々の位置を生かして、室内を明るくしてくれます。 バス停からもすぐそば。 ひがし茶屋街へお越しの際は ぜひお立ち寄りいただけますと嬉しいです。 ![]() #
by jell-architects
| 2019-04-01 15:00
| 金沢町家改修
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