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2024年 01月 01日
地震に被災されました方々へ、お見舞い申し上げます。 新年早々にも関わらず、強い地震により、 ご不自由、ご不便も今後さらに起きてくることもあるかと思いますが、 お心を強く、お持ち頂けますと幸いです。 以下、地震発生前にアップ致しました。 どうか落ち着かれましてから、読み進めて頂けますようお願い致します。 金澤町家改修ものがたりも新しい年を迎えての投稿です。 昨年中に完成、手掛けておりますProjectなどご紹介できればと思います。 金澤町家は金沢市の補助金を活用した改修が今春完成予定です。 「東山の町家」 改修前の外観 道路側には町家らしい出窓が残りますが、側壁は錆びたトタン張り。 柱や梁はしっかりしている町家です。 この町家は「金澤町家再生活用事業」の補助金を活用しています。 外壁は板張りに換え、窓も木製に改修します。 他にも数件、工事中〜調査・設計中のプロジェクトを進めています。 ☆ 「橋場町の家」 町家以外の住宅の改修も依頼頂きました。 オーナー様は金沢での二拠点居住先とされます。 改修後の玄関ホール 平成初期築の立派な日本家屋ですので、 玄関ホールは壁を群青色への塗り替えまでとしています。 リビング~キッチンへ 畳をフローリングに、キッチンとの間の壁を抜いて、床暖房も新設。 洗面のミラーキャビネットは間接照明に ミラーキャビネット裏の窓からも間接光が入るように改修。 トイレはモダンな和柄クロスと弁柄色と金箔があしらわれたタイルに。 ☆ 店舗内装として、青山根津美術館向かいにて TANAKA 青山のショップを手掛けさせて頂きました。 引き続いて古民家の蔵を店舗へリノベーション 「むつのはな新店舗」 こちらも来春オープン予定です。 主屋玄関 大変大きな古民家です。 蔵の改修前 こちらの蔵を改修しています。 ☆ 昨春、修理を終えました金沢市指定文化財「松山寺・本堂」の向拝(玄関)の修理です。 修理を終えた向拝の外観 文化財は経年変化もその価値とされますので、 修理の際も直した箇所が目立たないようにします。 (修理前の写真は1つ前のブログをご覧ください) 金沢職人大学校で学んだご縁から、金沢市指定文化財の修理設計監理に携わらせて頂きました。 加賀八家・横山家の菩提寺でもあり、本堂は藩政期(江戸時代)およそ230年程前に建てらたもの。 向拝は今回の調査にてまた他の向拝を移築したものである可能性が分かりました。 修理前の軒先 長年の風雪による雨漏りと軒先の傷み・垂れ下がりがありました。 瓦解体後の軒先 傷んだ部材が折れています。 修理完了 軒先はまっすぐに、傷んだ部材は交換しながら 修理・再使用できる部材は再度取付けしての修理です。 正面の瓦に隠れていた、こけら葺き写真 正面の唐破風には、瓦に葺き替えられる前の屋根:こけら葺きが残されていました。 これも保存し、その上に新たに瓦葺きを行っています。 柱根継の写真 棟梁の高い技術が垣間見られます。 傷んだ柱の足元も根継して修理。強度を確保しながら 外から見た際に修理箇所分かりにくい形状とし、 経年での柱の影も合わせて形作られています。 檀家様への修理内容の説明・見学会もさせて頂きました。 ☆ また、棟梁からのご縁にて、 寺町「実成寺・山門」の修理工事もお手伝いさせて頂いています。 (寺町・重要伝統的建造物群保存地区内) 大通りに面した、山門 1249年の築と伝わっています。 門正面の獅子装飾の1つ 装飾が活き活きとしてとても立派です。 こちらも工事中の雨風を防ぐ素屋根を掛けて瓦の葺き替えを行っています。 ☆ 自己研鑽として新たに、 金沢職人大学校・造園課の研修記録作成担当として、 11月より3年間、研修にご一緒させて頂くことになりました。 専門外にも関わらずお声がけを頂き、一から勉強しながら記録を行っています。 昨年末には、雪吊りや土塀の菰掛けにも参加させて頂いています。 職人大学校構内の雪吊り。 金沢の冬の景観を形作る雪吊りも技術の継承・研鑽に支えられています。 ☆ お茶会へは今年はなかなか時間が取れず、最低限になってしまいました。 所属する東千家の創流70周年記念茶会は国立博物館にて、 東千家の研究会は京王百草園にて、それぞれ参加させて頂きました。 お茶会の開催は、月釜「月丿樂釜」への参加ともお休みさせて頂いています。 年明けからは新しい町家の調査から改修設計など新たなプロジェクトを進めさせて頂きます。 引き続き、お引き立て賜りますと幸いです。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 #
by jell-architects
| 2024-01-01 12:00
| つれづれ
2023年 01月 02日
年末の大雪も溶け、穏やかな新年を迎えることができた金沢です。 漸く普段の暮らしが戻りつつあるように感じています。 金澤町家改修ものがたりも新しい年を迎えての投稿です。 昨年中に完成しましたProjectなどご紹介させて頂ければと思います。 金澤町家の改修は今年も2件が完成しました。 「Artist in 金澤町家 小立野」 金沢美術工芸大学様と株式会社三谷産業様との共同事業による アーティスト・イン・レジデンスの第1号物件の改修・設計をさせて頂きました。 昨秋より、アーティストの方の滞在~活動が始まっています。 昭和初期にこの場所に移築された60坪ほどの大きな町家。 外観は当初の格子戸・外構を活かしながら修理しています こちらの建物は金澤町家流通コーディネート事業での調査から携わらせて頂いており 思い入れも深い中、大きな町家が有効利用されることになり大変嬉しく感じています。 1階の土縁は当初から残る厚いケヤキ材の浜床、化粧掛け込み天井、雨戸を活かし、 壁の色は当初のベンガラ色を再現しています。 2階は廊下と壁で仕切られていた和室をアーティストが滞在する広々としたLDKに改修。 窓ガラスや障子、天井はこの町家の当初のものを再利用しています。 「寺町の町家」 この町家は金沢へ移住される方が取得・改修設計をさせて頂きました。 もう10年ほど前になりますが、私も町家を探していた頃に拝見したこともありました。 改修前の外観 大正期に建てられた武士系近代和風の町家。角地にあり 前庭と共に横庭・裏庭のある、暮らし方が想像しやすい間取りでした。 改修後の外観 ブロック塀を板塀とし、外壁の板壁・漆喰塗りを修理。 見違えるように蘇りました。 近隣にも町家が残る金沢らしい街並みも、建て替えが進むと無くなってしまいます。 大正期に分譲されたと考えられる近代の街並みはとても貴重です。 新しい吹き抜け 室内は一部の床を取り外し、吹き抜けを新設。 時代が古く天井が低めの町家でも広がりを持たせることができます。 暑さ寒さ対策のために、丸太の梁にシーリングファンも設置。 土縁 多くの町家で床が張られてしまっている土縁は、 オリジナルの状態に戻し、庭とつながる開放感を得られます。 格子戸は古建具を購入・調整しています。 キッチンは改修した際に使いやすいように、 既製品ではなくオーナー様のご要望を伺いながらフルオーダーにて製作しています。 また、 金沢職人大学校で学んだご縁から、金沢市指定文化財の修理設計監理に携わらせて頂いています。 昨秋より携わっている金沢市指定文化財「松山寺・本堂」 こちらの向拝(玄関)の修理です。 加賀八家・横山家の菩提寺でもあり、 本堂は藩政期(江戸時代)およそ230年程前に 建てられたことが棟札から判明しています。 素屋根を掛け、屋根もやりかえる修理工事です。 本堂・玄関は元々は別々の建物だったものが移築されたとの調査もあります。 柱などのズレ、移築時に再利用された部材など、調査・修理も難しい箇所もありますが、 木造の建物は移築・再利用できること、 風雨を受け幾度も修理されている中での大々的な修理になることもあり 百年、二百年先を見据えながらの仕事に身が引き締まる日々です。 金沢職人大学校の経験豊かな諸先輩方に尽力頂きながらの工事です。 月釜「月丿樂釜」も引き続き、釜をかけさせて頂きました。 リンク先:https://www.facebook.com/tsukinogakufu 私たちの担当は2月、6月、7月でした。 2月は豆月・東休庵にて供茶を。 6月は大河ドラマにちなみ、大磯の古刹「鴫立庵」にて釜を掛けさせて頂きました。 7月はご縁を頂き、金沢近郊の山中での茶会。 今年は金沢だけでなく、東京での仕事もさせて頂く予定です。 引き続き、お引き立て賜りますと幸いです。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 #
by jell-architects
| 2023-01-02 18:00
| 金沢町家改修
2022年 01月 01日
穏やかな新年を迎えられましたことと存じます。 金沢では、積雪もさほどではなく、穏やかな新年となりました。 金澤町家改修ものがたりも久しぶりの投稿です。 1番で積もった屋根雪は20cmほど。 氷柱の下がる瓦屋根越しに青空が広がりました。 旧年中は多くの方々のお世話になりながら、充実した1年を過ごすことができました。 たくさんのご支援を頂戴しながら、お陰さまでカフェ「豆月」も5周年を迎えることができました。 改めてお礼申し上げます! 私自身の技能向上としまして3月に、金沢職人大学校・修復専攻科第7期を修了しました。 歴史建造物修復士認定の盾と法被。 3年間にわたり毎週1回、通い続けます。 様々な座学や実習・研修を経験・勉強させていただくことができました。 歴史建造物に携わる設計や行政の方々だけでなく、大工・左官・板金・建具・畳・石工など、日本の伝統的建造物に携わる職方さんと一緒に3年間に渡る研修をさせて頂きました。巡り会うことが出来た方々とのご縁はこれからも大切にしていきたいと思います。 仕事では、引き続き金澤町家の改修・利活用に携わらせて頂いています。 昨春には2件が完成。 どちらも金沢市の特定金澤町家に認定、補助金を活用しての改修。 完成後は金澤町家研究会より優良金澤町家へ認定頂きました。 元金箔商家だった町家を、金澤へ移住されるご夫婦が購入され、新しく宿泊施設をオープンされました。 外観:ゆらぎ硝子を採用したりと随所にこだわりが。 ホームページでは、改修後の施設・宿泊室もご覧頂けます。 町家らしさを体験してほしいとのコンセプト、 室内は快適な中、懐かしさも感じながら滞在頂けます。 お庭も素晴らしい! 「兼六園Enigma W」さん。 明治初期の武士系住宅を大切に受け継がれてきたオーナー様より、 活用してもらいながら、これからも大切にしていきたいとの、ご依頼にて改修させて頂きました。 外観:庭に面した土縁を復活。 内観:手水鉢と踏石も元々のものを設置。 金沢にてフォト・ウェディングを手がけられている 「エニグマ・ウェディング」さんがご利用してくださっています。 利活用の素敵なシーンをご覧頂けます。写真がとても綺麗! 私たちもコロナ禍が収まったら家族写真撮影にお伺いしたいなと思っています。 月釜「月丿樂釜」もメンバーと一緒に途切れることなく毎月、釜をかけさせて頂いています。 私たちの担当は2月、3月、4月そして12月。 2月末は「豆月」於いて。コロナもあり、メンバーを招いての茶会でした。 「町家ゲストハウスかるた」さんでの竣工記念茶会。 ダイニングキッチンだった8畳間を京間四畳半の茶室に改修。 躙口も新しくつくっています。 「兼六園Enigma W」さんでの竣工記念茶会。 金沢では茶道は暮らしの中での嗜みの一つだったこともあり、 「炉」が切られている町家も多くあります。 武士系住宅であるEnigmaW さんにも炉が残されていました。 部屋の使い勝手を考慮し、6畳から7畳へと1畳増やし、炉を向切にしています。 京都光悦寺の本阿弥庵と同じレイアウトです。 床柱・床框は元のものを生かし、下地窓は改修に合わせて復活。 12月は久しぶりに「豆月」にて釜を掛けました。 金沢へ移り住む前からお世話になっている方々を お招きさせていただき、お茶を一服差し上げることが出来ました。 金澤町家研究会では、金澤町家の改修事例集「金澤町家-改修と活用」の編集・出版に携わらせていただきました。 「豆月」とともに「ギャラリー日色 Hiiro」さん、ひゃくまん焼き「多華味屋」さんを掲載頂いたり、 各記事も執筆させて頂いています。 表紙は「町家ゲストハウスかるた」さん、「兼六園EnigmaW」さんも。 書籍は「豆月」でも購入いただけます。 今年は、9月から改修工事中の金澤町家(60坪ほどと、金沢でも大型の町家です)が春頃に完成予定。 他にも設計~改修をさせていただく金澤町家と、寺社の修理にも携わらせていただくことになります。 引き続き、お引き立て賜りますと幸いです。 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 #
by jell-architects
| 2022-01-01 00:00
| 金沢町家改修
2019年 04月 01日
ひがし茶屋街の入口、浅野川大橋の袂の観音町で進めてきた 金澤町家の改修もこの3月に完成、 今日、「多華味屋」としてオープン致しました! そのオリジナル型を使った焼き饅頭「ひゃくまん焼き」 お店では店頭での販売の他、カフェとしてもご利用いただけます。 築150年を超える、藩政期の金澤町家をオリジナルの意匠に復元。 出入り口は上げ下げの板戸です。 弁柄色も弁柄粉と柿渋を調合しています。 改修前はモルタル&アルミサッシの外観。 2階の格子と障子戸もオリジナルのデザインに復元。 吹き抜け上のトップライトは元々の位置を生かして、室内を明るくしてくれます。 バス停からもすぐそば。 ひがし茶屋街へお越しの際は ぜひお立ち寄りいただけますと嬉しいです。 #
by jell-architects
| 2019-04-01 15:00
| 金沢町家改修
2019年 01月 01日
2019年、あけましておめでとうございます。 本年もどうぞ宜しくお願い致します。 昨年はお陰さまで沢山の仕事に携わらせて頂いて、 ブログの更新をなかなか出来ませんでしたが、 幾つかのプロジェクトが年初に完成を迎える運びとなりました。 引き続き、金沢町家の改修も数多く進めさせて頂いており、 改修前と改修後の様子も大きく改善されるものばかりですので、 順次ご紹介していければと思っております。 この春には金沢東山・旧観音町に藩政期から残る、 築150年を超える町家の再生活用の工事も完成し、 店舗・カフェとしてオープンする予定でおります。 石川県の観光推進キャラクター「ひゃくまんさん」の 初めての焼き饅頭店としてオープンします。 写真は計画中の模型。 改修工事でも大きく変わるため完成の様子がなかなか判りにくい際は 模型も製作してご覧頂いています。 本年も引き続き応援頂ければ幸いです。 お仕事のご相談も随時承っておりますので、 どうぞ宜しくお願い致します! #
by jell-architects
| 2019-01-01 23:00
| つれづれ
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